Nature ハイライト
地球科学:地球の核の内部での結晶化
Nature 543, 7643
地球の核は大量の鉄(Fe)を含んでいるが、その密度は、純鉄より約10%小さく、ケイ素(Si)や酸素(O)などの軽元素が外核に含まれている可能性を示している。今回、廣瀬敬(東京工業大学)たちは、原始地球をシミュレートするためにレーザー加熱式ダイヤモンドアンビルセル装置を使って行った、地球の核の圧力下における液体Fe–Si–O合金の溶融実験について報告している。その結果、初期のFe–Si–Oの核が冷えるにつれて二酸化ケイ素(SiO2)の結晶を晶出する可能性があることが見いだされた。著者たちは、仮に核の最上部から結晶化が始まれば、SiO2が枯渇したFe–Si–O液体の沈下によって原始地球内の核の対流やダイナモを十分駆動できた可能性があると結論付けている。
2017年3月2日号の Nature ハイライト
古生態学:熱水噴出孔に存在した初期生命
がん:膵神経内分泌腫瘍のゲノミクス
分子生物学:遺伝子内のDNAメチル化の役割
生化学:メタン触媒の分子構成
天文学:ガスのアウトフローはブラックホールの内部円盤に応答している
材料科学:歯のエナメル質から着想を得た強靭な材料
地球科学:地球の核の内部での結晶化
免疫学:CARで腫瘍拒絶をドライブする
細胞生物学:機械ストレスに応答した細胞分裂
植物科学:光化学系IIでのO=O結合形成