Nature ハイライト
生化学:メタン触媒の分子構成
Nature 543, 7643
微生物によるメタンの生合成では、1年当たり約10億トンのメタンガスが生成されており、地球温暖化に多大な影響を及ぼしている。補酵素F430はニッケル含有修飾テトラピロールで、メタン生成を触媒するが、この補酵素が形成される仕組みは完全には明らかになっていない。今回M Warrenたちは、F430の生合成を触媒する遺伝子群を見いだし、その経路の各段階で働く主要な酵素の活性を実証している。ニッケルを内包する分子構造がメタン生成を最適化するように構成されていく仕組みが明らかになり、この補酵素合成経路の解明によって、修飾テトラピロール化合物群の他のメンバーの合成機構についても完全な理解が得られた。
2017年3月2日号の Nature ハイライト
古生態学:熱水噴出孔に存在した初期生命
がん:膵神経内分泌腫瘍のゲノミクス
分子生物学:遺伝子内のDNAメチル化の役割
生化学:メタン触媒の分子構成
天文学:ガスのアウトフローはブラックホールの内部円盤に応答している
材料科学:歯のエナメル質から着想を得た強靭な材料
地球科学:地球の核の内部での結晶化
免疫学:CARで腫瘍拒絶をドライブする
細胞生物学:機械ストレスに応答した細胞分裂
植物科学:光化学系IIでのO=O結合形成