Nature ハイライト
Cover Story:驚異の羽ばたき:蚊の飛翔を可能にする優れた空気力学的機構
Nature 544, 7648
表紙は、蚊の翅の羽ばたきによって生じる気流の瞬間的な方向を示す渦線である。今回R Bomphreyたちは、蚊の羽ばたきの非常に高い周波数と小さな振幅が新たな空気力学的機構をもたらしていることを示している。蚊は、他の大半の昆虫と同様に前縁渦から揚力を生み出すが、その前の羽ばたきが残したエネルギーを後縁がとらえて生じる後縁渦によって、揚力が増大する。この見事にタイミングの合った回転機構によって、翅の全長にわたって空気力学的力を最大にできるので、蚊の翅の著しく高いアスペクト比を説明できる可能性がある。
2017年4月6日号の Nature ハイライト
素粒子物理学:まれな崩壊を探して
幹細胞:骨髄の緊急時の血液バンク
細胞生物学:ゲノムをHi-C法で捉える
生化学:腸でのペクチンの分解
化学:現場で水素を作る
生物地球化学:バイオマスの過去の増加
神経科学:顆粒細胞の報酬反応
微生物学:スペーサーの早期獲得が免疫を高める
免疫学:肺は新鮮な血液の供給源である
構造生物学:アディポネクチン受容体の酵素活性