Nature ハイライト
生化学:腸でのペクチンの分解
Nature 544, 7648
ラムノガラクツロナンII(RG-II)は、知られている中で最も複雑なグリカンである。RG-IIはネアンデルタール人の時代からヒトの食物の特徴の1つであり続けてきたが、この多糖類を分解する機構は分かっていない。著者たちは今回、腸におけるRG-IIの分解に関わる重要な過程と酵素ファミリーを解明している。バクテロイデス門の単一の腸内細菌が、RG-IIの21のグリコシド結合について、1つを除き全て切断することによって、この複雑な基質を代謝することが分かった。この分解過程には、新たに発見された7つのグリコシドヒドロラーゼファミリーと共に、既知のいくつかの酵素の新しい触媒機能が関与していた。この研究は、ヒトの腸内微生物相の細菌によるグリカンの分解機構と、それらの細菌が希少糖を利用するためにこれらの分解とともに進化してきた仕組みについて深く追究したものである。
2017年4月6日号の Nature ハイライト
素粒子物理学:まれな崩壊を探して
幹細胞:骨髄の緊急時の血液バンク
細胞生物学:ゲノムをHi-C法で捉える
生化学:腸でのペクチンの分解
化学:現場で水素を作る
生物地球化学:バイオマスの過去の増加
神経科学:顆粒細胞の報酬反応
微生物学:スペーサーの早期獲得が免疫を高める
免疫学:肺は新鮮な血液の供給源である
構造生物学:アディポネクチン受容体の酵素活性