Nature ハイライト
顕微鏡学:細胞の中を色素で観察
Nature 544, 7651
細胞内の数多くのさまざまな分子を直接可視化できれば、多くの重要な過程の理解が深まる可能性があるが、既存の方法ではまだ困難である。今回L Weiたちは、電子的な前期共鳴条件下での誘導ラマン散乱測定によって、生細胞中において色素標識したさまざまな標的分子を非常に高い選択性と感度で撮像できることを示している。著者たちは、細胞がラマン信号を発しないラマンスペクトル窓において信号を発する新しい色素群を合成し、容易に観察できるようにした。また、色素標識した16の異なる標的を生細胞内で撮像した結果についても報告している。神経共培養と脳組織で行った原理証明実験によって、今回の超多重光学撮像法で複雑な生体系における複雑な相互作用を解明できる可能性がさらに明確に示されている。
2017年4月27日号の Nature ハイライト
動物行動学:子育ての遺伝学
分子生物学:クロマチンリモデリング因子の構造
構造生物学:アミノ酸輸送体の構造
材料科学:超高密度な析出物が超高強度鋼を作る
顕微鏡学:細胞の中を色素で観察
大気科学:砂漠が温暖化するほど嵐が増える
考古学:アメリカ最古のヒトの活動
神経科学:ヒト臍帯血は認知機能を高める
免疫学:細菌塊を形成させる抗体が腸管を守る