Nature ハイライト
細胞生物学:ミトコンドリアのカルシウム交換に依存する恒常性
Nature 545, 7652
in vivoでのミトコンドリアのカルシウム交換の意義については議論が分かれている。今回J Elrodたちは、この過程の生理学的重要性をマウスの心臓において調べた。ミトコンドリアのナトリウム–カルシウム交換輸送体NCLXを、成体マウスの心臓において条件的に欠失させると、ミトコンドリアのカルシウム過負荷とネクローシス細胞死による突然死が引き起こされた。逆に、マウス心臓にNCLXを過剰発現させると、虚血再灌流傷害(酸素が欠乏している部位に血流が回復する際に引き起こされる組織損傷)によって生じる細胞死が制限された。著者たちは、心筋細胞のミトコンドリアのカルシウム交換が、心疾患におけるミトコンドリアによる重要な調節機構であると結論している。
2017年5月4日号の Nature ハイライト
気候科学:地球温暖化の停滞の分析
神経幹細胞:オルガノイドの光明
神経幹細胞:シャーレの中で前脳をモデル化する
免疫学:PD-1阻害治療応答の血液バイオマーカー
構造生物学:多段階を経て起こるヌクレオシド輸送
物性物理学:凍結電荷による伝導
物性物理学:熱の量子
細胞生物学:ミトコンドリアのカルシウム交換に依存する恒常性
神経変性:ポリQ鎖がオートファジーを調節する