Nature ハイライト
Cover Story:腫瘍の追跡:リキッドバイオプシーによって肺がんの分岐進化と再発が明らかに
Nature 545, 7655
今回C Swansonたちは、「リキッドバイオプシー」を用いることで、非小細胞肺がん手術後の再発を早期発見できる可能性を示唆している。著者たちは、肺がん臨床研究である「TRACERx」の参加者から外科的に除去された腫瘍の進化動態を評価した。彼らは、系統樹を作って、個々人の腫瘍がどのように進化したか示し、そうした情報を血液検査の基準として用いて、循環腫瘍DNA(ctDNA)を探した。これによって、日常的な臨床状況で見つかるよりも約70日早くがんの再発を特定できただけでなく、転移性の分岐進化過程の知見も得られた。今回の結果は、リキッドバイオプシーを個別化医療に適用してがんのモニタリングを改善する方法を示している。
2017年5月25日号の Nature ハイライト
免疫学:T細胞機能不全の2つの段階
天文学:クエーサーの探求で見つかった活発な星形成銀河
量子物理学:高温超伝導の秘密を探る
環境科学:ディーゼル車の排ガスの危険性
神経科学:視索前野の睡眠促進ニューロン
ウイルス学:蚊においてジカウイルスの感染力を高める変異
植物生物学:植物の免疫をプログラムする
がん:腫瘍免疫を遮断する
がん:がんプログレッションにおける代謝変化の役割
生物工学:タンパク質の相互作用のマッピング