Nature ハイライト
応用物理学:ワイヤレス給電のためのパリティ–時間対称性
Nature 546, 7658
ワイヤレスで機器を充電するロバストで効率の高い技術があれば、埋め込み可能な医療機器や電気自動車など、さまざまな移動式の応用がかなり促進されると思われる。S Fanたちは今回、他の方法とは異なり、電源と機器の距離が変化しても連続的な調整を必要としない新しい給電方法を提案し、検証している。著者たちは、パリティ–時間対称性の原理を用いている。この原理は、利得と損失を慎重に釣り合わせることによって光学的応用で近年集中的に研究されている概念であり、通常とは異なる新しい領域につながっている。今回著者たちは、この原理を電気回路に適用し、2枚の金属板の間で電力を伝送し、1 mの距離まで効率を維持できる方法を提示している。今回の研究では、発光ダイオード(LED)にワイヤレス給電を行い、電源に対するLEDの相対的位置が変化しても、LEDが一定の輝度で光ることを実証している。
2017年6月15日号の Nature ハイライト
幹細胞:ヒト誘導多能性幹細胞の変動をマッピングする
微生物学:下痢症の創薬研究
分子生物学:記憶形成における核内アセチルCoAの役割
応用物理学:ワイヤレス給電のためのパリティ–時間対称性
材料科学:みぞれ状の強誘電体
材料科学:タコから着想を得た粘着パッチ
免疫学:安定なT-bet発現で安全確保
細胞周期:サイクリンD3–CDK6代謝によるがん細胞の生存
がん治療:薬剤抵抗性を再プログラム化するがん細胞
構造生物学:抗CRISPRタンパク質はCas9の活性を阻害する