Nature ハイライト

構造生物学:抗CRISPRタンパク質はCas9の活性を阻害する

Nature 546, 7658

細菌は、CRISPR系という防御機構でファージの侵入から身を守っている。一方のファージもこれに対抗する自身の防御機構を備えており、いくつかの抗CRISPRタンパク質をコードしている。今回Z Huangたちは、Cas9とガイドRNAの複合体と結合した抗CRISPRタンパク質AcrIIA4の構造を解いたことを報告している。得られた構造からは、この抗CRISPRタンパク質が2つの過程を阻害することが明らかになった。AcrIIA4はまず、Cas9が標的である二本鎖DNAを認識するときに用いる、PAMと呼ばれる特殊なDNA塩基配列を構造的に模倣することでCas9の結合を阻害し、次いで、Cas9のエンドヌクレアーゼ活性部位を阻害する。今回得られた情報は、Cas9を介したゲノム編集をより精密に制御するための「オフ」スイッチを開発できる可能性を示唆している。

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