Nature ハイライト
材料科学:みぞれ状の強誘電体
Nature 546, 7658
強誘電体は、可逆的な自発電気分極を示す材料である。「リラクサー」強誘電体の望ましい特性は数十年前から知られているが、その機構的起源は依然として謎である。竹中寛之(米国ペンシルベニア大学)たちは今回、この不可解な材料の挙動に新たな視点をもたらしている。彼らは、根底にある電気双極子構造の重要な特徴を特定するとともに、融点近傍の水に見られる水と氷が混ざったような不完全氷結状態の混合相としてモデル化できるダイナミクスを見いだした。こうした概念的枠組みは、新しいリラクサー材料の設計と合成の指針として役立つはずである。
2017年6月15日号の Nature ハイライト
幹細胞:ヒト誘導多能性幹細胞の変動をマッピングする
微生物学:下痢症の創薬研究
分子生物学:記憶形成における核内アセチルCoAの役割
応用物理学:ワイヤレス給電のためのパリティ–時間対称性
材料科学:みぞれ状の強誘電体
材料科学:タコから着想を得た粘着パッチ
免疫学:安定なT-bet発現で安全確保
細胞周期:サイクリンD3–CDK6代謝によるがん細胞の生存
がん治療:薬剤抵抗性を再プログラム化するがん細胞
構造生物学:抗CRISPRタンパク質はCas9の活性を阻害する