Nature ハイライト
Cover Story:がんの遺伝情報:500例の腫瘍の塩基配列から転移がんの分子的な手掛かりが得られた
Nature 548, 7667
表紙の画像は、原発部位から広がった(転移した)複数のがんに侵されている患者の概念図である。描かれている原発がんは、前立腺がん(青)、乳がん(ピンク)、肺がん(緑)、大腸がん(オレンジ)である。今回、A Chinnaiyanたちは、ミシガン腫瘍塩基配列解読プログラム(Michigan Oncology Sequencing Program)の一環として、500例の多様なヒト転移がんのDNAとRNAの塩基配列を報告している。彼らは、生殖系列DNAでの複数の変異を含む、こうしたがんにおけるゲノム変化の全体像の特徴を明らかにしている。さらに、臨床的なRNA塩基配列の解読によって、転移がんの遺伝子融合や転写シグネチャー、免疫微小環境を把握できることも示している。
2017年8月17日号の Nature ハイライト
進化学:滑空するジュラ紀の哺乳形類
天文学:赤色超巨星の高速運動するガス
ナノ科学:カオスの縁で計算する
人類学:初期の現生人類がスマトラ島に住んでいた
神経科学:味覚系をいじって苦味と甘味を混乱させる
幹細胞:皮膚は異常増殖を修正することでその形状を維持する
遺伝学:抗がん剤抵抗性を引き起こすlncRNA
細胞生物学:タンパク質分解につながるチャネル
細胞生物学:細胞膜からアクセスできる脂質シグナル伝達受容体