Nature ハイライト
幹細胞:皮膚は異常増殖を修正することでその形状を維持する
Nature 548, 7667
細胞では頻繁に変異が起こるが、それらの細胞が巨視的な腫瘍になることはまれである。これらの異常細胞に対し、体がどのように対応しているのかは分かっていない。V GrecoとS Beronjaたちは今回、腫瘍の増殖を誘導することが知られている遺伝的変異を有する皮膚幹細胞を持つトランスジェニックマウスを作製した。彼らは生体内画像化法を用い、活性型Wnt/βカテニンあるいは発がん性Hrasの発現によって過増殖物が生じ、その後退縮することを見いだしている。皮膚組織構造の変形は、過増殖物の退縮に直接関係していた。変異細胞を含む異常構造の除去には、隣接する野生型細胞の働きが必要だった。変異細胞は除去されるか、機能的な皮膚付属器に統合された。面白いことに、レーザー組織切除を用いて皮膚組織構造を物理的に操作しても、同様の方法で修正される。
2017年8月17日号の Nature ハイライト
進化学:滑空するジュラ紀の哺乳形類
天文学:赤色超巨星の高速運動するガス
ナノ科学:カオスの縁で計算する
人類学:初期の現生人類がスマトラ島に住んでいた
神経科学:味覚系をいじって苦味と甘味を混乱させる
幹細胞:皮膚は異常増殖を修正することでその形状を維持する
遺伝学:抗がん剤抵抗性を引き起こすlncRNA
細胞生物学:タンパク質分解につながるチャネル
細胞生物学:細胞膜からアクセスできる脂質シグナル伝達受容体