Nature ハイライト
微生物学:微生物はヒトのシグナル伝達を模倣する
Nature 549, 7670
微生物相が産生する代謝産物が、ヒトの生理機能に何らかの機能を果たしたり影響を及ぼしたりしていることが、次第に分かってきている。今回S Bradyたちは、腸内細菌が産生するN-アシルアミドが、宿主のGPCR受容体と相互作用することを明らかにしている。マウスモデルおよび細胞を用いた解析によって、これらの細菌代謝産物がGPR119のアゴニストとして働くこと、そして、マウスにおいて代謝ホルモンおよびグルコース恒常性を調節する可能性があることが分かった。これらの知見は、微生物相由来のリガンドが真核生物のシグナル伝達分子を模倣できることを示唆しており、将来的にはこうした模倣を治療介入に利用できる可能性がある。
2017年9月7日号の Nature ハイライト
量子物理学:軌道に乗る量子セキュリティー技術
微生物学:微生物はヒトのシグナル伝達を模倣する
分子生物学:抑制されたクロマチンから転写を開始
神経科学:活性型AMPA受容体の構造が初めて解かれた
惑星科学:木星の見事なオーロラ
表面科学:触媒の活性部位を特定する
発生生物学:心臓の非対称性は右から始まる
植物科学:コケにおける性の話
がん:免疫回避の調節
遺伝子調節:CRISPR活性化によるエンハンサー機能のマッピング