Nature ハイライト
がん:免疫回避の調節
Nature 549, 7670
PD-1/PD-L1阻害抗体は、さまざまながんの治療に効果を挙げている。今回M Dawsonたちは、ゲノム規模のCRISPR–Cas9スクリーニングを行い、CMTM6がPD-L1発現の新規調節因子であることを突き止めている。CMTM6は、PD-L1のリソソームによる分解を阻害して再利用を促進することにより、細胞膜でPD-L1を維持する働きをしていることが明らかになった。またこれとは別に、T Schumacherたちは、細胞表面のPD-L1発現に影響する分子や経路を発見するために行った、一倍体遺伝学的スクリーニングについて報告している。彼らは、ケモカイン様因子CMTM6とCMTM4がPD-L1の安定性を調節する細胞内在性因子であることを明らかにし、この軸を治療標的にすることで、がんの免疫療法の改善につながる可能性を示唆している。
2017年9月7日号の Nature ハイライト
量子物理学:軌道に乗る量子セキュリティー技術
微生物学:微生物はヒトのシグナル伝達を模倣する
分子生物学:抑制されたクロマチンから転写を開始
神経科学:活性型AMPA受容体の構造が初めて解かれた
惑星科学:木星の見事なオーロラ
表面科学:触媒の活性部位を特定する
発生生物学:心臓の非対称性は右から始まる
植物科学:コケにおける性の話
がん:免疫回避の調節
遺伝子調節:CRISPR活性化によるエンハンサー機能のマッピング