Nature ハイライト
分子生物学:抑制されたクロマチンから転写を開始
Nature 549, 7670
piRNA(PIWI-interacting RNA)経路は、生殖系列において、トランスポゾンでの抑制性ヘテロクロマチンの確立によるゲノム安定性に重要である。piRNAが、転写抑制されているトランスポゾン内のpiRNA座位から転写される仕組みは解明されていない。今回J Brenneckeたちは、ショウジョウバエ(Drosophila)のpiRNA前駆体の転写開始には生殖系列特異的TFIIA-Lパラログが関与していることを示し、これをMoonshinerと命名した。このタンパク質は、HP1パラログであるRhinoを介してヘテロクロマチン内のpiRNAクラスターに誘導され、RNAポリメラーゼII転写装置のコアと共役する。従って、Moonshinerは抑制されたヘテロクロマチン環境での活発なpiRNA転写を可能にしている。
2017年9月7日号の Nature ハイライト
量子物理学:軌道に乗る量子セキュリティー技術
微生物学:微生物はヒトのシグナル伝達を模倣する
分子生物学:抑制されたクロマチンから転写を開始
神経科学:活性型AMPA受容体の構造が初めて解かれた
惑星科学:木星の見事なオーロラ
表面科学:触媒の活性部位を特定する
発生生物学:心臓の非対称性は右から始まる
植物科学:コケにおける性の話
がん:免疫回避の調節
遺伝子調節:CRISPR活性化によるエンハンサー機能のマッピング