Nature ハイライト
表面科学:触媒の活性部位を特定する
Nature 549, 7670
不均一系触媒は、化学産業やエネルギー産業において極めて重要である。その活性は、反応物分子の生成物分子への変換を制御する特定の部位によって決まる。しかし、反応中にこうした部位を直接特定しモニターすることは、困難である。今回J Pfistererたちは、普及している走査型トンネル顕微鏡を使った、測定中の雑音レベルの変化のモニタリングによって、これが容易に実現されることを示している。著者たちは、収集したデータを用いて、さまざまな欠陥部位や触媒を構成するさまざまな材料間の境界部位などの活性部位をほぼ定量的に識別できた。この情報は、触媒活性全体に対するさまざまな部位の重要性と相対的寄与の直接評価を可能にし、幅広い実用に向けた不均一系触媒の合理的設計や最適化に直接生かすことができる
2017年9月7日号の Nature ハイライト
量子物理学:軌道に乗る量子セキュリティー技術
微生物学:微生物はヒトのシグナル伝達を模倣する
分子生物学:抑制されたクロマチンから転写を開始
神経科学:活性型AMPA受容体の構造が初めて解かれた
惑星科学:木星の見事なオーロラ
表面科学:触媒の活性部位を特定する
発生生物学:心臓の非対称性は右から始まる
植物科学:コケにおける性の話
がん:免疫回避の調節
遺伝子調節:CRISPR活性化によるエンハンサー機能のマッピング