Nature ハイライト
天文学:非常に珍しい超新星
Nature 551, 7679
過去15年間に数千の「重力崩壊型」超新星が観測されており、それらの超新星では、時間経過とともに速度低下する水素吸収線や、光度曲線の単一のピークか暗くなる前の約100日間安定した光度などが、共通する要素として見られる。今回I Arcaviたちは、そうした通常見られる要素を示さない超新星iPTF14hlsの観測結果を報告している。その光度曲線は複数のピークを持ち、600日にわたって減衰しなかった。彼らは、爆発の数百日前に太陽質量の数十倍のガスが放出されることによってその性質を説明できる可能性があると結論付けているが、これがどのようにして起こったかについて妥当な説明は存在しない。脈動的対不安定性(pulsational pair instability)によって、超新星爆発前に複数の噴出が予測されるが、このモデルは、iPTF14hlsに関与しているエネルギー収支と、速度低下のない水素吸収線が存在し続けることには矛盾している。
2017年11月9日号の Nature ハイライト
生態学:森林生物多様性を脅かすエッジ効果
神経科学:老化のシグナル
構造生物学:転写開始前複合体中のTFIIH
天文学:非常に珍しい超新星
材料科学:ひずみを取り込むナノ双晶銅
大気化学:積層が乱れてできた氷
進化学:言語の進化を調べる
神経科学:神経精神医学に関する遺伝的手掛かり
海洋科学:海洋の微量栄養素を加減する
がん:抵抗勢力の溜まり場