Nature ハイライト
がん:抵抗勢力の溜まり場
Nature 551, 7679
腫瘍は、がん治療の間に薬剤抵抗性となることがある。加えて、いわゆる「persister」細胞、つまり執拗に残存する細胞が生じて、これらがリザーバーを形成し、そこから薬剤抵抗性がん細胞が出現することもあり得る。persister細胞はすでに、一部の薬剤には感受性を示さなくなっている。だが今回、M McManusたちは、persister細胞はある種の間葉系細胞と同じような状態となっていて、そのために脂質ヒドロペルオキシダーゼGPX4の阻害に選択的感受性を示すことを報告している。従ってGPX4を標的とすることは、薬剤抵抗性の防止につながる可能性のある新たな道を開く。
2017年11月9日号の Nature ハイライト
生態学:森林生物多様性を脅かすエッジ効果
神経科学:老化のシグナル
構造生物学:転写開始前複合体中のTFIIH
天文学:非常に珍しい超新星
材料科学:ひずみを取り込むナノ双晶銅
大気化学:積層が乱れてできた氷
進化学:言語の進化を調べる
神経科学:神経精神医学に関する遺伝的手掛かり
海洋科学:海洋の微量栄養素を加減する
がん:抵抗勢力の溜まり場