Nature ハイライト
ナノテクノロジー:自己形成するナノ構造体
Nature 552, 7683
ますます複雑化するナノスケール構造体を作るのに、DNA自己集合が広く用いられている。確実に集合させることができる最大の構造には、数百の異なるDNA鎖が含まれている。今回P Yinたちは、新世代のDNAレンガ、すなわち特定のレンガ間相互作用に応じてレンガのような形状に折りたたまれ自己集合する短いDNA鎖によって、個々のレンガを数万個含む大きなDNAナノ構造体の作製が可能になることを示している。今回作製された、1万個のDNAレンガからなり個々にアドレス可能な2万個の「ナノボクセル」(三次元でピクセルに相当するもの)を有する構造体は、粘土の分子版として使うことができ、文字や複雑ならせん体(らせん階段に似た形状)、テディベアなどの三次元物体を彫像できる。この方法をさらに最適化すれば、足場として、あるいは機能的構成要素の配置に使えそうなより大きな集合体の作製に使える可能性がある。
2017年12月7日号の Nature ハイライト
パーキンソン病:PINK1の構造
分子生物学:抗がん性tRNA断片
ナノテクノロジー:自己形成するナノ構造体
ナノテクノロジー:DNA折り紙を設計する
ナノテクノロジー:DNA折り紙を大量に作る
惑星科学:火星の粘土鉱物を作った蒸気
古生物学:「帽子」から絶滅リスクを予測する
免疫学:マラリア原虫の免疫逃避
がん免疫療法:チェックポイント因子はリンパ腫を抑制する
分子生物学:METTL3は腫瘍増殖を助ける