Nature ハイライト
進化学:動物の軍拡競走における強さと敏捷さ
Nature 554, 7691
自然とは、歯と爪を血で染めるものかもしれないが、動物の軍拡競走では必ずしも力が強い者が勝つとは限らない。今回、ライオンがどのようにシマウマを追い掛け、チーターがどのようにインパラを追跡するのかを詳細に調べた研究で、それぞれの捕食者–被食者ペアにおいては、捕食者の方が被食者よりも筋力が著しく大きく、加速や減速の能力もはるかに高いが、より低い速度では、被食者の方がより敏捷に動くことができ、捕食者の追跡から逃れられることが明らかになった。いずれにしても、捕食者が自らの生存を可能とするような狩りの成功率を維持するためには、被食者を上回る運動能力を有する必要がある。
2018年2月8日号の Nature ハイライト
進化学:動物の軍拡競走における強さと敏捷さ
がん:HER阻害のバスケット試験
生化学:塩基変化の基盤
構造生物学:2分子のダイニンで移動のペースを設定する
天文学:合体する星からの広角アウトフローが電波で明らかになった
材料科学:木材を処理して強度を高める
気候科学:燃料補助金の廃止がもたらす恩恵は限定的
神経科学:ドーパミンニューロンが次の運動を生み出す仕組み
アルツハイマー病:脳内のアミロイドβ病変を予測する血漿マーカー
免疫学:自然免疫と適応免疫が微生物相を形作る仕組み