Nature ハイライト
材料科学:木材を処理して強度を高める
Nature 554, 7691
高密度化は一般的な木材処理方法であるが、欠陥が残ることが多く、湿気で弱くなりやすい。今回、高密度化の前に木材を処理し、強度と寸法安定性を大きく高める方法が報告されている。著者たちは、木材からリグニンとヘミセルロースを部分的に除去することによって密度が約3倍になり、厚さが80%減少することを示している。しかし、リグニンとヘミセルロースを完全に除去すると材料の質が低下するので、木材内部の結合のために一部のリグニンを残さなければならないと著者たちは示唆している。処理後の材料とそれらを積層させたラミネート材料は、極めて優れた強度、靭性、防弾性を示すと同時に、他の構造材料よりも軽量で処理しやすく、環境への影響が小さい。
2018年2月8日号の Nature ハイライト
進化学:動物の軍拡競走における強さと敏捷さ
がん:HER阻害のバスケット試験
生化学:塩基変化の基盤
構造生物学:2分子のダイニンで移動のペースを設定する
天文学:合体する星からの広角アウトフローが電波で明らかになった
材料科学:木材を処理して強度を高める
気候科学:燃料補助金の廃止がもたらす恩恵は限定的
神経科学:ドーパミンニューロンが次の運動を生み出す仕組み
アルツハイマー病:脳内のアミロイドβ病変を予測する血漿マーカー
免疫学:自然免疫と適応免疫が微生物相を形作る仕組み