Nature ハイライト
アルツハイマー病:脳内のアミロイドβ病変を予測する血漿マーカー
Nature 554, 7691
アルツハイマー病は、アミロイドβ(Aβ)ペプチドの脳内の沈着を特徴とする。Aβの沈着レベルを高い信頼性で調べるために利用できる方法は、Aβ-PET画像化と、脳脊髄液中のAβレベルの計測のみである。従って、侵襲性が最小限で費用効果の高い方法で評価できる血中バイオマーカーを見つけることが非常に望ましい。今回、柳澤勝彦(国立長寿医療研究センター)たちは、免疫沈降法と質量分析法を用いて、いくつかのAβ関連ペプチド断片の血中レベルを測定した。Aβ前駆体タンパク質(APP)669–711/Aβ1–42比とAβ1–40/Aβ1–42比、および複合スコアは、個々の被験者の脳内Aβ沈着レベルを高い信頼性をもって予測した。これらの結果は、脳のAβ量を個人レベルで予測するのに血漿バイオマーカーを臨床利用できる可能性をはっきりと示している。
2018年2月8日号の Nature ハイライト
進化学:動物の軍拡競走における強さと敏捷さ
がん:HER阻害のバスケット試験
生化学:塩基変化の基盤
構造生物学:2分子のダイニンで移動のペースを設定する
天文学:合体する星からの広角アウトフローが電波で明らかになった
材料科学:木材を処理して強度を高める
気候科学:燃料補助金の廃止がもたらす恩恵は限定的
神経科学:ドーパミンニューロンが次の運動を生み出す仕組み
アルツハイマー病:脳内のアミロイドβ病変を予測する血漿マーカー
免疫学:自然免疫と適応免疫が微生物相を形作る仕組み