Nature ハイライト
生化学:塩基変化の基盤
Nature 554, 7691
ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックはDNAのB型構造を提案したことで最も有名であるが、1953年の論文で、一過性に生じた互変異性の塩基対形成が、自然に起こる塩基変化につながる可能性があるとも提案した。2015年に、H Al-Hashimiたちは、これらのエネルギー的に不利な互変異性体が存在する明確な証拠を示した。今回Al-Hashimiたちは、これらの互変異性体がDNAポリメラーゼ活性に及ぼす特異的な影響を明らかにしている。最小限の速度論的モデルに互変異性化とイオン化のデータを組み込むと、ポリメラーゼによる誤取り込みの結果が高い精度で予測された。これらの結果は細胞における変異誘発過程の理解を深めるだろう。
2018年2月8日号の Nature ハイライト
進化学:動物の軍拡競走における強さと敏捷さ
がん:HER阻害のバスケット試験
生化学:塩基変化の基盤
構造生物学:2分子のダイニンで移動のペースを設定する
天文学:合体する星からの広角アウトフローが電波で明らかになった
材料科学:木材を処理して強度を高める
気候科学:燃料補助金の廃止がもたらす恩恵は限定的
神経科学:ドーパミンニューロンが次の運動を生み出す仕組み
アルツハイマー病:脳内のアミロイドβ病変を予測する血漿マーカー
免疫学:自然免疫と適応免疫が微生物相を形作る仕組み