Nature ハイライト
材料科学:欠陥が結晶を癒す
Nature 554, 7692
二次元表面における液体の結晶化は、冷却時の構造欠陥対消滅によって生じると捉えることができる。しかし、表面が湾曲している場合、欠陥は常にいくつか存在しなければならない。例えば、サッカーボールを作るには、規則正しく並んだ六角形に、五角形という「欠陥」を12個追加する必要がある。曲面上で欠陥を全て排除するのは不可能であることを考えると、そうした系でも液体状態からの結晶化が生じ得るのだろうか。R Guerraたちによると、答えはイエスである。彼らは、球表面に結合した荷電コロイド粒子の実験とシミュレーションを組み合わせて、系が凝固する際に液体状の初期状態から秩序がどのように現れるか観察した。特に、サッカーボール表面でトポロジーを維持する五角形の欠陥のように、表面上で欠陥が12個の孤立したポケットに徐々に追いやられる様子に注目している。
2018年2月15日号の Nature ハイライト
植物科学:ミカン類の広がり
神経科学:バースト活動と抗うつ薬の関係
宇宙物理学:脈動するオーロラ
物性物理学:量子スピン液体を実現するハニカム格子
材料科学:欠陥が結晶を癒す
生態学:魚類の相互作用と生態系の安定性
動物行動:社会脳
神経科学:感覚履歴はどのように行動に影響するか
免疫学:腸内の病原性片利共生生物に対して寛容が生じる機構
細胞生物学:「塀の中」での情報伝達