Nature ハイライト
生態学:魚類の相互作用と生態系の安定性
Nature 554, 7692
生態学の理論からは、生態系の安定性(生態系が撹乱を乗り越えて存続する能力)が種間相互作用の変化に影響を受けることが示唆されている。今回、潮雅之(龍谷大学ほか)たちは、日本の舞鶴湾で収集した海水魚群集の種間相互作用に関する12年間分の目視観察データセットを用いて、種間相互作用の変動と群集安定性との関係を調べている。その結果、相互作用ネットワークの短期的な変化が群集動態全体に影響を及ぼしており、弱い相互作用と高い種多様性が群集安定性を高めていることが明らかになった。
2018年2月15日号の Nature ハイライト
植物科学:ミカン類の広がり
神経科学:バースト活動と抗うつ薬の関係
宇宙物理学:脈動するオーロラ
物性物理学:量子スピン液体を実現するハニカム格子
材料科学:欠陥が結晶を癒す
生態学:魚類の相互作用と生態系の安定性
動物行動:社会脳
神経科学:感覚履歴はどのように行動に影響するか
免疫学:腸内の病原性片利共生生物に対して寛容が生じる機構
細胞生物学:「塀の中」での情報伝達