Nature ハイライト
宇宙物理学:脈動するオーロラ
Nature 554, 7692
脈動オーロラは、ほぼ周期的に明滅するパッチ状のオーロラである。脈動オーロラは通常、明け方、一連のオーロラ現象の終盤に現れ、高度約100 kmの上空で数百キロメートルにわたって空を覆う。そうしたパッチが多く現れ、空全体を覆うこともある。こうした脈動は、高エネルギー電子が超高層大気に間欠的に注入されることに起因するが、機器による観測に限界があるため、そうした注入がどのようにして起こるのかよく分かっていなかった。笠原慧(東京大学)たちは今回、磁気赤道で生じ両極に向かって移動する強い電磁プラズマ波である「コーラス波」によって、高エネルギー電子が準周期的に散乱されていることを示す衛星による観測結果を報告している。こうした散乱と同時に、地上からは脈動オーロラが観測された。
2018年2月15日号の Nature ハイライト
植物科学:ミカン類の広がり
神経科学:バースト活動と抗うつ薬の関係
宇宙物理学:脈動するオーロラ
物性物理学:量子スピン液体を実現するハニカム格子
材料科学:欠陥が結晶を癒す
生態学:魚類の相互作用と生態系の安定性
動物行動:社会脳
神経科学:感覚履歴はどのように行動に影響するか
免疫学:腸内の病原性片利共生生物に対して寛容が生じる機構
細胞生物学:「塀の中」での情報伝達