Nature ハイライト
細胞生物学:「塀の中」での情報伝達
Nature 554, 7692
ミトコンドリアやリソソームなどの細胞小器官は動的な存在で、小胞輸送を介してだけでなく、異なる小器官同士が一時的にではあるが直接接触して情報伝達を行う。今回D Kraincたちが、ミトコンドリアとリソソームの間には、小器官間の接触があることを報告している。この現象は、損傷したミトコンドリアとリソソームが、マイトファジーと呼ばれる分解過程で連結するのとは無関係らしい。著者たちはまた、この2種類の小器官の連結に関わる細胞小器官特異的な分子を明らかにし、リソソーム–ミトコンドリアの接触によってこれらの小器官の動態に双方向性の調節が可能になっていることも突き止めた。
2018年2月15日号の Nature ハイライト
植物科学:ミカン類の広がり
神経科学:バースト活動と抗うつ薬の関係
宇宙物理学:脈動するオーロラ
物性物理学:量子スピン液体を実現するハニカム格子
材料科学:欠陥が結晶を癒す
生態学:魚類の相互作用と生態系の安定性
動物行動:社会脳
神経科学:感覚履歴はどのように行動に影響するか
免疫学:腸内の病原性片利共生生物に対して寛容が生じる機構
細胞生物学:「塀の中」での情報伝達