Nature ハイライト

天文学:全天における吸収プロファイル

Nature 555, 7694

初期宇宙における第一世代の星々の想像図。
初期宇宙における第一世代の星々の想像図。 | 拡大する

Credit: N.R.Fuller, National Science Foundation

初期宇宙において第一世代の星が水素を加熱した際に、21 cm超微細線(天文学で標準的に使われる線で、基底状態の原子状水素のスピンフリップ遷移を示す)が変化し、水素ガスによる宇宙マイクロ波背景放射からの光子の吸収が生じた。これによって、200 MHzよりも低い周波数に観測可能な吸収シグナルが生じるはずである。今回J Bowmanたちは、この吸収プロファイルが、78 MHzを中心として幅19 MHzで深さ0.5 Kの周波数帯であるという観測結果を報告している。このプロファイルはおおむね予想の範囲内にあるが、予想よりも深い。また今週号の別の論文では、R Barkanaが、初期宇宙ではバリオンが冷たい暗黒物質粒子と相互作用して、ガスを予想以上に冷却した可能性を示している。

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