Nature ハイライト
量子コンピューティング:捕捉イオンによる高速化
Nature 555, 7694
量子コンピューティングに有望なさまざまな技術の中で、捕捉原子イオンを用いる手法では、優れたコヒーレンスと動作忠実度が得られるが、固体系に匹敵する論理速度は、特にエンタングルメントの生成に必要な2キュービット演算においては、容易に得られない。今回D Lucasたちは、振幅変調レーザーパルスを用いて捕捉カルシウムイオンを制御し、光の位相変動に対してロバストなゲート動作を確保している。彼らは、99.8%の忠実度でエンタングルメントを生成し、2 μs未満のゲート持続時間を達成した。また、ゲート忠実度は低いが、約500 nsの高速動作も実証している。今回の実験研究は、捕捉イオン技術の大きな制限要因に取り組むものであり、著者たちは、論理演算をより多数のキュービットへ拡大するのに、この方法が寄与すると予想している。
2018年3月1日号の Nature ハイライト
生物物理学:無秩序なタンパク質から作られる高親和性複合体
天文学:全天における吸収プロファイル
量子コンピューティング:捕捉イオンによる高速化
材料科学:伸びる電子デバイス
地球科学:地球内部の初期の分離を明らかにしたレユニオン島の岩石
神経生理学:微小な温度変化が睡眠を制御する
幹細胞:伸展により活性化されるイオンチャネルが幹細胞分化を促す
分子生物学:lncRNAを核へ案内する
分子神経科学:ハンチンチンの構造
構造生物学:クラスBのGPCR群で見られるバイアス型作用の基盤