Nature ハイライト
分子神経科学:ハンチンチンの構造
Nature 555, 7694
ハンチンチン(HTT)は胚の発生に不可欠な大型のタンパク質で、小胞輸送、エンドサイトーシス、オートファジー、転写調節などの細胞の多様な活動に関わっている。HTTと相互作用する物質は多数見つかっており、HTTはタンパク質–タンパク質相互作用のハブの中心に位置すると考えられている。HTT遺伝子に変異が生じるとN末端のポリグルタミン反復配列が伸長し、ハンチントン病が発症する。S Kochanekたちは今回、HAP40と複合体を形成した完全長ヒトHTTの構造を、4 Åに至る全体分解能で明らかにした。この詳細な構造によって、HTTの多様な細胞機能の詳しい解明に向かう道が開けるだろう。
2018年3月1日号の Nature ハイライト
生物物理学:無秩序なタンパク質から作られる高親和性複合体
天文学:全天における吸収プロファイル
量子コンピューティング:捕捉イオンによる高速化
材料科学:伸びる電子デバイス
地球科学:地球内部の初期の分離を明らかにしたレユニオン島の岩石
神経生理学:微小な温度変化が睡眠を制御する
幹細胞:伸展により活性化されるイオンチャネルが幹細胞分化を促す
分子生物学:lncRNAを核へ案内する
分子神経科学:ハンチンチンの構造
構造生物学:クラスBのGPCR群で見られるバイアス型作用の基盤