Nature ハイライト
細胞生物学:酵母核膜孔複合体の構造
Nature 555, 7697
核膜孔複合体(NPC)は、RNAやタンパク質を核の内部へ、あるいは核から外部へと輸送する際の通路である。これまでの研究では、NPCの複数の部分についての構造情報が得られているが、そのサイズの大きさと動的性質のために、複合体全体の構造の解明は難しかった。今回、さまざまな専門分野の研究者からなるチームが、552個のタンパク質からなる酵母NPC全体の構造を報告している。これは、質量分析、クライオ(極低温)電子線トモグラフィー、化学的架橋などを統合する方法を使ってナノメートルを下回るレベルで得られたものである。この構造から、NPCの機能的要素の詳細な像が得られ、この複合体の構成、作用機構、進化起源が明らかになった。
2018年3月22日号の Nature ハイライト
神経発生学:抑制性介在ニューロンにおける多様性の始まり
医学研究:より良い診断のための腫瘍タイプ分類法
細胞生物学:酵母核膜孔複合体の構造
計算機科学:機械学習による画像再構成の改良
太陽電池:カリウムによる不活性化を用いたペロブスカイトルミネッセンスの改良
材料科学:リチウム空気電池の寿命を長くする
太陽系:地球と月のよく似たカルシウム同位体組成
神経科学:初期脳発生のRNA-seq研究
植物生物学:植物における通過細胞の起源
生物海洋学:植物プランクトンでの鉄結合