Nature ハイライト
植物生物学:植物における通過細胞の起源
Nature 555, 7697
植物の根において液体を輸送する中心的な組織である師部と木部は、内皮細胞層の保護壁で覆われている。この層にはカスパリー線およびスベリンと呼ばれる特殊化した細胞構造が含まれており、拡散を制限している。しかし内皮には、通過細胞として知られる、スベリンが蓄積していない細胞からなるさまざまな数の「斑点」が存在し、不浸透性の壁における通路として機能すると考えられている。今回N Geldnerたちは、これらの通過細胞の形成過程と機能を調べた。彼らは、内皮が木部極内皮と師部極内皮の異なる2種類の細胞グループから構成され、これらは植物ホルモンのサイトカイニンおよびオーキシンへの応答性が異なることを報告している。結果として、木部極内皮のうちのいくつかの細胞はスベリンが蓄積しにくくなり、通過細胞を形成する。また著者たちは、通過細胞の数と局所的な栄養状態が、動的な調節関係にあることも示している。
2018年3月22日号の Nature ハイライト
神経発生学:抑制性介在ニューロンにおける多様性の始まり
医学研究:より良い診断のための腫瘍タイプ分類法
細胞生物学:酵母核膜孔複合体の構造
計算機科学:機械学習による画像再構成の改良
太陽電池:カリウムによる不活性化を用いたペロブスカイトルミネッセンスの改良
材料科学:リチウム空気電池の寿命を長くする
太陽系:地球と月のよく似たカルシウム同位体組成
神経科学:初期脳発生のRNA-seq研究
植物生物学:植物における通過細胞の起源
生物海洋学:植物プランクトンでの鉄結合