Nature ハイライト
太陽系:地球と月のよく似たカルシウム同位体組成
Nature 555, 7697
初期の内部太陽系の物質が示す同位体組成の変動は、原始惑星系円盤の不均一性を反映していると一般的に考えられている。今回M Schillerたちは、ベスタ、火星、地球を起源とする試料だけでなく、ユレイライト隕石やアングライト隕石の母天体を起源とする試料のカルシウム同位体組成が、推定される母天体である小惑星や惑星の質量と相関していることを見いだしている。これは、集積の時間スケールの代理指標を与え、岩石惑星形成領域における円盤の全カルシウム同位体組成の、急速で「永年的な」進化を示唆している。この永年進化は、原始太陽への質量降着に伴って、熱的な影響を受けた内部の原始惑星系円盤へ外部太陽系の始原物質が混入したことを反映していると、著者たちは推測している。彼らは、地球と月で区別のつかないカルシウム同位体組成は、円盤の寿命の終わり近くで集積を終えた原始惑星が、月形成衝突に関与していたことを示唆するとも結論している。
2018年3月22日号の Nature ハイライト
神経発生学:抑制性介在ニューロンにおける多様性の始まり
医学研究:より良い診断のための腫瘍タイプ分類法
細胞生物学:酵母核膜孔複合体の構造
計算機科学:機械学習による画像再構成の改良
太陽電池:カリウムによる不活性化を用いたペロブスカイトルミネッセンスの改良
材料科学:リチウム空気電池の寿命を長くする
太陽系:地球と月のよく似たカルシウム同位体組成
神経科学:初期脳発生のRNA-seq研究
植物生物学:植物における通過細胞の起源
生物海洋学:植物プランクトンでの鉄結合