Nature ハイライト
材料科学:リチウム空気電池の寿命を長くする
Nature 555, 7697
リチウム空気電池は、エネルギー密度を極めて高くできる可能性があるため、電気自動車に現在使用されているリチウムイオン電池の後継として魅力的である。しかし、リチウム空気電池の化学反応は複雑であり、複数の寄生的な副反応が生じる可能性がある。こうした副反応は、純酸素を供給する場合と異なり、実際の空気混合物中の「活性」成分(酸素)の割合が比較的少ないことによって悪化する。そのため、時間とともに劣化するだけでなく、理論エネルギー密度と比べて低い性能しか得られていない。今回L Curtissたちは、適切なカソードと電解質を組み合わせ、リチウムアノードを保護することで、実際的な空気雰囲気で数百サイクル動作するリチウム空気電池を開発している。この結果は、今後のリチウム空気電池の開発が精製空気流の使用に限定されなくなる可能性があることを示唆している。
2018年3月22日号の Nature ハイライト
神経発生学:抑制性介在ニューロンにおける多様性の始まり
医学研究:より良い診断のための腫瘍タイプ分類法
細胞生物学:酵母核膜孔複合体の構造
計算機科学:機械学習による画像再構成の改良
太陽電池:カリウムによる不活性化を用いたペロブスカイトルミネッセンスの改良
材料科学:リチウム空気電池の寿命を長くする
太陽系:地球と月のよく似たカルシウム同位体組成
神経科学:初期脳発生のRNA-seq研究
植物生物学:植物における通過細胞の起源
生物海洋学:植物プランクトンでの鉄結合