Nature ハイライト
人類学:ヒトの脳サイズ進化の駆動要因
Nature 557, 7706
ヒトはなぜ、単位体重当たりの脳がこれほど大きいのだろう。その説明としては、「不経済組織」仮説(肉食によって脳が腸を犠牲にして進化することができた)から、「社会脳」説(集団での生活が知能を促進する)まで、後付けの説が複数唱えられている。しかし、さまざまな要因を考慮し、化石記録に照らして結果を検証できる、ヒトの脳サイズの増加だけでなく減少にも対応したモデルは欠落していた。今回M González-ForeroとA Gardnerは、ヒトの脳サイズが、異なる複数の要因に応答して進化したことを明らかにしている。主な要因は、生態学的要因(60%)および協同(30%)であり、集団間競争(10%)がそれに続く一方、個人間競争は重要でなかった。
2018年5月24日号の Nature ハイライト
微生物学:細菌タンパク質の機能予測
天体物理学:プラズマレンズで見たパルサー
物性物理学:プラズモンの限界を探る
経済学:野心的な気候の目標が持つ経済的な魅力
人類学:ヒトの脳サイズ進化の駆動要因
神経変性:α-シヌクレインの凝集と闘う
発生生物学:肢発生におけるR-spondin 2の独立した役割
腫瘍免疫学:バイスタンダーT細胞の識別法
免疫学:骨髄増殖における腸の微生物の役割