Nature ハイライト

神経変性:α-シヌクレインの凝集と闘う

Nature 557, 7706

パーキンソン病や、アルツハイマー病の一部をはじめとする、ある種の神経変性疾患では、誤って折りたたまれたα-シヌクレイン(α-Syn)タンパク質が、レビー小体(LB)やレビー神経突起としてニューロンに凝集するのに対して、多系統萎縮症(MSA)ではα-Synは主に、グリア細胞質内封入体(GCI)としてオリゴデンドロサイトに蓄積する。LB内のα-SynとGCI内のα-Syn(それぞれLB-α-Syn、GCI-α-Syn)は、同じアミノ酸配列を持ちながら、構造的にも機能的にも異なる。感受性マウスの脳に注入すると、MSAのα-SynはヒトMSAと似た致命的疾患を引き起こすが、LB病に関連するα-Synタイプ(株)では起こらない。今回C Pengたちは、これらの異なるα-Syn株は、異なる細胞内環境で作られることを示している。MSAの非常にアグレッシブな性質と一致して、GCI-α-Synは、LB-α-Synよりも緻密な構造を形成し、α-Synの凝集においては1000倍強力なシードであった。意外にも、オリゴデンドロサイトはα-SynをアグレッシブなGCI様株に転換するが、ニューロンではそういうことは起こらない。一度転換されると、ニューロンに伝播した場合でも、そのアグレッシブな性質は維持される。従って、α-Syn株の違いは、誤って折りたたまれたシードと細胞内環境の両方によって生じる。

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