Nature ハイライト
腫瘍免疫学:バイスタンダーT細胞の識別法
Nature 557, 7706
今回、CD8+腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の不均一性が、ヒトの大腸がんと肺がんでマスサイトメトリーをベースとするマルチプレックスMHCテトラマー染色法を用いて評価された。この2種類の腫瘍組織の両方で、がんとは無関係なバイスタンダーCD8+ TILが広く存在することが観察され、その多くは、腫瘍特異的T細胞で発現することが以前に明らかにされているPD-1、CD69、CD103やTIGITのようなマーカーを発現していた。しかし、これらのバイスタンダー細胞はいずれもCD39を発現しておらず、これは2種類の腫瘍ネオアンチゲン特異的T細胞集団や、エプスタイン・バーウイルス(EBV)関連腫瘍に由来する2種類のEBV特異的T細胞集団とは対照的である。従って、CD39の発現はバイスタンダーT細胞を単離あるいは定量するのに使えると著者たちは考えている。
2018年5月24日号の Nature ハイライト
微生物学:細菌タンパク質の機能予測
天体物理学:プラズマレンズで見たパルサー
物性物理学:プラズモンの限界を探る
経済学:野心的な気候の目標が持つ経済的な魅力
人類学:ヒトの脳サイズ進化の駆動要因
神経変性:α-シヌクレインの凝集と闘う
発生生物学:肢発生におけるR-spondin 2の独立した役割
腫瘍免疫学:バイスタンダーT細胞の識別法
免疫学:骨髄増殖における腸の微生物の役割