Nature ハイライト
免疫学:骨髄増殖における腸の微生物の役割
Nature 557, 7706
腸内細菌は大腸がんの発生に影響を及ぼすことが知られている。今回B Jabriたちは、腸の細菌が骨髄異形成症候群の1つの側面にも関連していることを示している。造血細胞でTet2と呼ばれる酵素を欠損するマウスモデルでは異常な骨髄増殖が起こるが、これが見られるのは一部のマウスだけである。今回、この異常な骨髄増殖が、腸のバリア機能の低下と、それに続くバクテリアルトランスロケーションに関係していることが明らかにされた。さらにこれは、骨髄増殖を促進するインターロイキン6の産生を伴う炎症につながる。今回の研究によって、がんの発生に影響を及ぼす微生物、という新しい分野にさらなる知見が加わった。
2018年5月24日号の Nature ハイライト
微生物学:細菌タンパク質の機能予測
天体物理学:プラズマレンズで見たパルサー
物性物理学:プラズモンの限界を探る
経済学:野心的な気候の目標が持つ経済的な魅力
人類学:ヒトの脳サイズ進化の駆動要因
神経変性:α-シヌクレインの凝集と闘う
発生生物学:肢発生におけるR-spondin 2の独立した役割
腫瘍免疫学:バイスタンダーT細胞の識別法
免疫学:骨髄増殖における腸の微生物の役割