Nature ハイライト
神経科学:線虫では幼若期のストレスが性成熟に影響を及ぼす
Nature 561, 7721
線虫の一種Caenorhabditis elegansでは、成虫の神経系の性分化は、両性で共通するニューロン間のシナプス結合の性特異的剪定によって起こる。O Hobertたちは今回、雄が幼若期に一時的な飢餓を経験するとこの過程が抑えられることを見いだしている。これはオクトパミンやセロトニンの信号伝達の持続的な変化を介して起こり、成体期の雄でにおい物質に対する応答性を高い状態に維持する。この研究から、初期の生活史が神経回路の変化という形で記憶され得る仕組みが明らかになり、これが成虫の行動の性的二型性に影響を及ぼしていることが示された。
2018年9月6日号の Nature ハイライト
神経科学:空間と時間の統合された記憶
心血管生物学:グルタミンシンテターゼの新しい機能
構造生物学:マラリアのタンパク質を積み荷として宿主細胞内に運び込むトランスロコン
惑星科学:木星の意外なダイナモ
量子物理学:原子を並べ替える
古生物学:哺乳類の生殖様式の起源
生態学:マルハナバチに対するスルホキシイミン系農薬の亜致死性の影響
神経科学:線虫では幼若期のストレスが性成熟に影響を及ぼす
免疫学:免疫のパターン認識におけるALPK1の役割
構造生物学:ピック病で見られるタウ繊維の構造