Nature ハイライト
構造生物学:ピック病で見られるタウ繊維の構造
Nature 561, 7721
S ScheresとM Goedertたちは最近、アルツハイマー病患者から得られたタウ繊維のクライオ(極低温)電子顕微鏡構造を報告した。今回、彼らは前頭側頭型認知症が特徴の神経変性疾患であるピック病の患者から得られたタウ繊維の構造を決定したことを報告している。この繊維は、アルツハイマー病で見られるタウ繊維とは異なる折りたたみ方をされていることが明らかになり、集合したタウに配座異性体が存在することが確認された。これは、さまざまな疾患に罹患したヒト脳に、異なる折りたたみ方をされたタウが存在し得る仕組みを示している。
2018年9月6日号の Nature ハイライト
神経科学:空間と時間の統合された記憶
心血管生物学:グルタミンシンテターゼの新しい機能
構造生物学:マラリアのタンパク質を積み荷として宿主細胞内に運び込むトランスロコン
惑星科学:木星の意外なダイナモ
量子物理学:原子を並べ替える
古生物学:哺乳類の生殖様式の起源
生態学:マルハナバチに対するスルホキシイミン系農薬の亜致死性の影響
神経科学:線虫では幼若期のストレスが性成熟に影響を及ぼす
免疫学:免疫のパターン認識におけるALPK1の役割
構造生物学:ピック病で見られるタウ繊維の構造