Nature ハイライト
生化学:グリコシル化の理解を深める
Nature 563, 7730
グリコーゲン生合成は、グルコースのグリコーゲンへの重合のことであり、動物や菌類における主要なエネルギー貯蔵機構である。この過程は、グリコゲニンという独特な酵素によって開始される。グリコゲニンは、自身からポリマー鎖を組み立て、自己グルコシル化の自己触媒として働く。今回B Davisたちは、パラジウムを用いるクロスカップリング化学反応による特異的な基質結合酵素複合体の構築を通して、グリコゲニンの機構を調べている。この方法を用いることで、自己グルコシル化に関与する3つの異なる速度論的な相が見いだされ、最後の相は、グルコースだけが基質として許容される「校正」過程であることが明らかになった。今回の研究は、主要代謝過程における基質の特異性と可塑性に関する知見をもたらしており、今回のタンパク質を使った連結戦略は、他の酵素の作用の研究に利用できる可能性がある。
2018年11月8日号の Nature ハイライト
免疫遺伝学:遺伝子の分岐と自然免疫
生物物理学:生物学における能動的超弾性
構造生物学:Tc毒素の活性化機構
量子物理学:極低温気体における普遍性の探索
生化学:グリコシル化の理解を深める
地質学:地球最古の生命の痕跡への疑義
神経科学:脳でのタンパク質翻訳
幹細胞:骨を長くする
構造生物学:リガンド結合によって構造が複雑化するセロトニン受容体