Nature ハイライト
神経変性:TDP-43の集合体は正常な筋再生の際に形成されて除去される
Nature 563, 7732
神経筋疾患ではTDP-43凝集体の蓄積がよく見られるが、TDP-43に変異のない患者でそうした凝集体がどのように生じるのかは分かっていない。T Voglerたちは今回、マウスとヒトの正常な骨格筋再生において、TDP-43が細胞質中でアミロイド様のオリゴマー集合体を形成することを明らかにしている。彼らはこの集合体を筋顆粒(myo-granule)と名付けた。筋顆粒はサルコメアタンパク質をコードするmRNAに結合し、筋繊維が成熟するにつれて減っていく。この筋顆粒は、筋再生中は無害なように見えるが、in vitroではこれがシードとなってTDP-43アミロイド繊維を生じることがあり、封入体ミオパチーのマウスモデルでは増加している。著者たちは、筋顆粒の形成の増加または除去の減少が、神経筋疾患に見られる細胞質中のTDP-43凝集体の起源である可能性を示唆している。
2018年11月22日号の Nature ハイライト
遺伝学:最新版ネッタイシマカゲノムアセンブリ
神経変性:TDP-43の集合体は正常な筋再生の際に形成されて除去される
幹細胞:骨を修復する神経堤プログラムの活性化
治療抵抗性:DYNLL1はゲノム安定性と化学療法への応答に影響を及ぼす
量子物理学:読み出し、訂正、繰り返し
オプトエレクトロニクス:有機ラジカル発光体を用いる高効率発光
光学材料:鉛を用いない白色発光
古生物学:恐竜の卵の色と模様
免疫学:T細胞の活性化と増殖におけるBH4の役割
生化学:エントロピーは化学的性質に勝る