Nature ハイライト
量子物理学:読み出し、訂正、繰り返し
Nature 563, 7732
量子誤り訂正(QEC)は、大規模な量子情報処理デバイスに不可欠になる。本格的なQECを実行するには、量子ビット(キュービット)間の量子相関の射影測定を介した誤りの繰り返し検出、条件付きフィードバック操作を使ったこうした誤りの訂正など、いくつかの技術的に難しい能力が必要になる。今回M Marinelliたちは、3個の同時捕獲したイオンでできた2種類の種からなるレジスターを使って、カルシウムの光学遷移に記憶された補助キュービットの助けを借りて、2個のベリリウムイオンの超微細基底状態構造に記憶された2キュービット相関を読み出せることを示している。この補助キュービットは、測定された後、ベリリウムキュービットを乱すことなくリセットされる。条件付きフィードバック訂正を実行する際に使われる古典制御システムと同様に、複数キュービット混合種ゲートは、ベリリウムキュービットからカルシウムキュービットへ確実に情報を伝送するのに極めて重要である。提案された方法によって、50回以上の繰り返し測定が可能になった。今回の研究は、捕獲イオンによる量子計算の最近の進歩に寄与するものである。
2018年11月22日号の Nature ハイライト
遺伝学:最新版ネッタイシマカゲノムアセンブリ
神経変性:TDP-43の集合体は正常な筋再生の際に形成されて除去される
幹細胞:骨を修復する神経堤プログラムの活性化
治療抵抗性:DYNLL1はゲノム安定性と化学療法への応答に影響を及ぼす
量子物理学:読み出し、訂正、繰り返し
オプトエレクトロニクス:有機ラジカル発光体を用いる高効率発光
光学材料:鉛を用いない白色発光
古生物学:恐竜の卵の色と模様
免疫学:T細胞の活性化と増殖におけるBH4の役割
生化学:エントロピーは化学的性質に勝る