Nature ハイライト
免疫学:T細胞の活性化と増殖におけるBH4の役割
Nature 563, 7732
テトラヒドロビオプテリン(BH4)は、モノアミン神経伝達物質の産生、一酸化窒素の生成、痛みに関与する代謝酵素の補因子である。今回J Penningerたちは、BH4がT細胞の活性化と増殖に役割を担うことを報告している。BH4の合成に必要な酵素であるGTPシクロヒドロラーゼ1(GCH1)を欠損したマウスは、T細胞媒介性の自己免疫とアレルギー性炎症から保護された。GCH1の過剰発現は、CD4+ T細胞とCD8+ T細胞の活性化を増強し、同所性乳がんにおける抗腫瘍免疫を駆動した。著者たちは、未処置の乳がんマウスモデルにおけるBH4の治療的投与が腫瘍内エフェクターT細胞の増殖とともに乳がんの増殖を低下させることを示している。
2018年11月22日号の Nature ハイライト
遺伝学:最新版ネッタイシマカゲノムアセンブリ
神経変性:TDP-43の集合体は正常な筋再生の際に形成されて除去される
幹細胞:骨を修復する神経堤プログラムの活性化
治療抵抗性:DYNLL1はゲノム安定性と化学療法への応答に影響を及ぼす
量子物理学:読み出し、訂正、繰り返し
オプトエレクトロニクス:有機ラジカル発光体を用いる高効率発光
光学材料:鉛を用いない白色発光
古生物学:恐竜の卵の色と模様
免疫学:T細胞の活性化と増殖におけるBH4の役割
生化学:エントロピーは化学的性質に勝る