Nature ハイライト
Cover Story:量子ネットワークの構築:複数ユーザー間の通信のための暗号鍵
Nature 564, 7735
量子鍵を使って通信を暗号化する能力は十分成熟しており、実世界で利用されている。しかし、これまでそうした量子鍵配送は2者間の通信に制限されていた。今回S Wengerowskyたちは、1つのエンタングル光子源が複数の量子状態を4者の異なるユーザーへ配送し、4者がそれぞれ安全な通信のための秘密鍵を生成できるようにする、完全に接続された量子ネットワークアーキテクチャーを実証している。著者たちは、このネットワークは、参加者を加えるのにエンタングル光子源を改造する必要が無いため、より多数のユーザーに適合するよう拡大するのは容易であると述べている。さらに、このネットワークは、通信波長帯で動作し、能動的スイッチング素子を必要としないので、より高い量子通信速度で機能する可能性がある。
2018年12月13日号の Nature ハイライト
気候科学:地球温暖化によって太平洋東部のエルニーニョ現象の変動が増大する
気候変動生態学:移動する熱帯の高木
幹細胞:より良い再プログラム化のための細胞系譜追跡
物性物理学:グラフェンシート間に形成された超高密度リチウム
有機化学:一方のキラリティーのみを得る新しい方法
文化進化学:ボルネオ島の初期の洞窟芸術
免疫学:心房性ナトリウム利尿ペプチドはサイトカイン放出症候群を防ぐ
ウイルス学:レトロウイルスDNAをサイレンシングする
微生物学:ファージ防御用化学兵器
分子生物学:Dna2は二本鎖切断部位でのDNA挿入を制限している