Nature ハイライト
腫瘍免疫学:RNAのm6A修飾はマウスの抗腫瘍免疫応答を調節する
Nature 566, 7743
N6-メチルアデノシン(m6A)は、哺乳類mRNAで豊富に見られるRNA内の修飾であり、mRNA代謝の制御に関与している。m6A修飾されたmRNAの安定性は、m6A読み取りタンパク質であるヒトYTHD1により調節され、YTHDF1はm6Aを認識し、標的転写産物の安定性を低下させる。今回の研究でC Heたちは、Ythdf1欠損マウスを作製し、移植された異なる2つの腫瘍株の除去が増加することを示している。彼らは、この除去の増加は、樹状細胞内のリソソームプロテアーゼの翻訳低下と関連することを明らかにした。これが腫瘍抗原破壊の低下や、CD8 T細胞への抗原クロスプレゼンテーションの増強につながり、それによって腫瘍応答が上昇する。著者たちは、YTHDF1は抗がん免疫療法の有望な治療標的になり得ると示唆している。
2019年2月14日号の Nature ハイライト
海洋生物地球化学:海洋の窒素固定のパターン
生化学:CRISPRツールキットの新たなツール
計算創薬:創薬で力を発揮した超大型化合物ライブラリー
応用物理学:ナノフォトニック冷却
ナノスケール材料:電子構造の変化を捉える
免疫学:遺伝毒性ストレスから腸を保護する
リウマチ性疾患:変形性関節症におけるコレステロール代謝の役割
代謝:TSC2依存的なmTORC1の調節
腫瘍免疫学:RNAのm6A修飾はマウスの抗腫瘍免疫応答を調節する
がん:遺伝的不安定性の進化