Nature ハイライト
量子物理学:エンタングルメントを機械的に媒介するもの
Nature 570, 7762
エンタングルメントは、多くの量子技術の根底にある不可欠なリソースであり、その生成は現在、数多くのプラットフォームにおいてさまざまな戦略に従って研究されている。機械的な媒介によって全光学的なエンタングルメントを生じさせることはできるのだろうか。今回S Barzanjehたちは、パラメトリックに駆動される長さ30 μmのシリコンナノストリング振動子から、経路エンタングルしたマイクロ波放射が放出されることを実証し、この質問に肯定的な答えを示している。彼らはさらに、2つの熱モードの結合場演算子が真空準位の下3.4 dBでスクイーズされていることを見いだした。この機械系は、毎秒1 Hz当たり最大50個の光子をエンタングルしており、量子ディスコードの形で測定した量子相関は、マイクロ波雑音に対してロバストであることが分かった。こうした結果は、(光)機械系の制御や操作だけでなく、(巨視的な)機械系を記述する状態の非古典的特性に関するさらなる研究に適している。
2019年6月27日号の Nature ハイライト
微生物学:微生物による薬物代謝
免疫学:HIV免疫原の設計と評価
量子物理学:エンタングルメントを機械的に媒介するもの
物性物理学:量子材料の画像におけるパターン認識
材料科学:磁場の最高記録
物理化学:結晶のライフサイクル
進化学:多細胞性へのカギとなる可塑性
合成生物学:合成された恒常性
生化学:合成が中途停止したタンパク質を取り除く