Nature ハイライト
物性物理学:量子材料の画像におけるパターン認識
Nature 570, 7762
臨界温度の高い多くの銅酸化物超伝導体の複雑な電子構造は、電荷密度波の存在を特徴としている。こうした定在波の起源はまだ議論の的であり、その構造の厳密な周期性の決定は、提案されているさまざまなモデルの評価に役立つと考えられる。今回E Kimたちは機械学習法を使って、走査型プローブ顕微鏡で撮像した電子密度のわずかな変化からこの周期性を導き出している。著者たちの人工ニューラルネットワークに基づく方法は、従来のフーリエ解析よりも優れており、結晶構造と整合する基本構造の4倍の周期性が存在することが示された。今回の結果は、機械学習に基づく画像解析の改善によって、強相関材料の物理学に関する新しい知見が得られることを実証している。
2019年6月27日号の Nature ハイライト
微生物学:微生物による薬物代謝
免疫学:HIV免疫原の設計と評価
量子物理学:エンタングルメントを機械的に媒介するもの
物性物理学:量子材料の画像におけるパターン認識
材料科学:磁場の最高記録
物理化学:結晶のライフサイクル
進化学:多細胞性へのカギとなる可塑性
合成生物学:合成された恒常性
生化学:合成が中途停止したタンパク質を取り除く