Nature ハイライト

Cover Story:細胞ダイナミクス:作動中の分子機械を捉えた一連の構造

Nature 571, 7766

ABC輸送体と呼ばれるタンパク質は、細胞膜に見られる非常に動的な分子機械である。このタンパク質は、さまざまな基質を細胞内部から運び出すため、適応免疫や多剤耐性を含むいくつかの重要な細胞過程に関与している。今回R TampéとA Moellerたちは、TmrABと呼ばれるABC輸送体の作動中の8つの状態の構造を報告している。これによって、基質輸送時にこのタンパク質がとるさまざまなコンホメーションの全体像が提示された。表紙は、細胞膜内に埋まっているTmrABの多重タンパク質複合体(青色と黄色)である。著者たちは、クライオ(極低温)電子顕微鏡法を用いて、さまざまな状態を捉えており、この撮像過程は、ヒトの生理機能や疾患に密接に関連する他の輸送体にも適用できると思われる。

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