Nature ハイライト
量子物理学:エネルギー分解能を上げる
Nature 571, 7766
機械振動子の運動を記述するコヒーレント状態は、明確に定まったエネルギーを持たず、等間隔のエネルギー固有状態の量子重ね合わせである。この量子化された構造を明らかにすることは、単一フォノンのエネルギーよりも高い精度で力学的エネルギーを測定する装置が必要なため、簡単ではない。今回A Safavi-Naeiniたちは、チップ上にナノ機械圧電共振器とマイクロ波超伝導キュービットを集積したハイブリッドプラットフォームを示している。このプラットフォームでは、人工原子によって、機械振動子の運動エネルギーが感知され、そのフォノン数状態が望ましい分解能で得られる。今回の結果は、固体の機械的な物体の量子非破壊測定の実現、ひいてはナノ機械デバイスによる量子センシングのさらなる進歩につながる可能性がある。
2019年7月25日号の Nature ハイライト
古人類学:人類のヨーロッパへの移動は古くて複雑だった
発生生物学:哺乳類の発生を横断する遺伝子発現
発生生物学:哺乳類の発生におけるlncRNA
生物物理学:ミトコンドリアのADP/ATP交換輸送体は脱共役タンパク質である
分子生物学:複製フォーク保護の新たな役割
量子物理学:エネルギー分解能を上げる
物性物理学:超伝導体における不均一な超流体の画像化
化学:前生物的ペプチドの妥当な合成経路
気候変動:中世の気候異常と小氷期が時空間的に一貫していたことを示す証拠はほとんどない
生体力学:捕食性の原生生物が生み出す波の連鎖
神経変性:パーキンソン病誘発についての示唆に富む証拠